スウェーデン発のカメラ、ハッセルブラッド(Hasselblad)
主にクラシックカメラと呼ばれるVシステムについてです。
電池のいらない機械式の一眼レフカメラ最高峰のハッセルブラッドの魅力とは?
目次
ハッセルブラッド【クラシック一眼レフカメラ Hasselblad】
ハッセルブラッドは一眼レフカメラの中で最も完成度が高く優れた中判フィルムカメラとして長く活躍してきました。
ハッセルブラッドとは
ハッセルブラッド (Hasselblad )は、宇宙の旅アポロ計画で人類史上はじめての月面着陸に成功したときに宇宙飛行士が持っていたカメラとして脚光を浴びました。
スウェーデンのヨーテボリから始まったカメラメーカーです。
第二次世界大戦中のドイツ軍カメラを参考にして作られたところから始まります。
Vシステムの〝500CM〟というモデルのボディ形状は完成から70年たっています。
大きなモデルチェンジすることなく、カメラ市場がデジタル化へとシフトする頃まで、広告写真・ファッション写真界において第一線で活躍し続けていいました。
徹底的に無駄を省いた機能性と軽量かつ高画質であることから完成度の高い一眼レフカメラとしてその地位を築き上げた経緯があります。
カメラとしてのデザインも優れており、特にプロのフォトグラファーが好んで使用してきたカメラです。
美しい正方形フォーマット
ハッセルの特徴は〝正方形の写真〟が撮れる点です。
ファインダーを覗いた画角が正方形で、仕上がりもトリミングする必要がありません。
タテヨコの画角を気にすることなく構図を思う存分に楽しむことができるのはハッセルの醍醐味といえます。
被写体との距離感や空間の切り取り方など撮影者側の力量に委ねられることが多いです。
雑誌や広告などは縦位置の長方形であるため必然的にトリミングすることになりますが、ハッセルの描写精度が失われることはありません。
中判フィルムは高解像度
ハッセルブラッドのフォーマットは 6×6判 といい 60×60mm の正方形です。
通常のカメラのフィルムサイズは35ミリ判(35×24mm)という長方形フォーマットが広く浸透して大衆化しました。
フォーマットとはフィルムに対して撮影される範囲を指します。
中判カメラ用のフィルムは、フィルム自体が大きいため撮影できる範囲も広くなります。
その分だけ被写体の情報をたくさん露光できます。
それが高解像度なる所以です。
大きなサイズにプリントすると分かりやすく、大画面でも耐えられる画質を保てるのが中判フィルムのメリットです。
主にプロカメラマンや写真館で使用されてきたフィルムサイズです。
コンパクトで機動力がある
ハッセルは大型カメラが全盛の当時、コンパクトな中判カメラとして注目されました。
撮影にはカメラの他にフィルムと単体露出計が必要になります。
フィルム時代のカメラは細く分けると大判カメラも存在します。
大判用フィルムは、それに比例して画質は精細になります。
ただしカメラ自体が大きくなるため、持ち運びに不便さが生じてたいへんな労力を必要とします。
そのため機動性もあって高画質の写真が撮れるハッセルは様々な分野で重宝されました。
デザインが優れている
とにかく見た目がシンプルで斬新でデザインが優れています。
70年以上も前にすでに出来上がっていたとは思えないほどのデザインです。
カメラのファインダーを覗いたときの構え方も独特の雰囲気があります。
デザインが良くて画質も良く、持ち運びにも適したフィルム一眼レフカメラの最高峰と言えます。
ハッセルブラッドを愛用する写真家
ハッセルブラッドを愛用してきた写真家は多く存在します。
写真家マイケル・ケンナは、今なおモノクロフィルムで写真を撮り続けています。
ファッション界の巨匠の一人ジャンルー・シーフ、誰でも一度は作品を目にしたことのある写真家ロバート・メイプルソープといった有名な写真家たちに愛用されてきました。
一度でもハッセルブラッドを手に取ってファインダーを覗いたら、その世界観に惹かれてしまうかもしれません。