ポートレート写真 (肖像写真・人物写真) についてです。
自然光で実際に上手く撮影できたときと失敗したときを例にしています。
目次
ポートレート写真に最適な撮影条件とは?【自然光】
▼ポートレート写真に最適な撮影条件とは?
・直射日光ではない(コントラストが低め)
・明るい曇り空の下(トーンが深い)
・日差しが強い日陰(グラデーションが綺麗)
▼優れた写真作品から学べること
1,光の具合
2,構図のとり方
3,被写体との距離感
4,シチュエーション
5,バリエーション
6,カメラのことなど
▼経験談など
これは失敗したと思うこと
ポートレート写真とは/まとめ
被写体が人物の写真を撮るのは意外と難しいです。
自然光で綺麗に撮れたと思う撮影条件はシンプルです。
直射日光ではない(コントラストが低め)
強い光が当たると濃い影ができます。
明るい部分と暗い部分が極端になり、中間のトーンがなくなってしまいます。
これをコントラストが強い状態と言います。
ポートレート撮影でこのような条件だと固めの強い印象を持った写真になります。
直射日光で撮影しなければならない場合、レフ版やストロボを使ったり、顔の向きを光に向けるなど工夫が必要になります。
明るい曇り空の下(トーンが深い)
通常ポートレートはふんわりとやわらかな光で撮影することが望ましいです。
自然光でこうした条件が整っているのが、明るい曇り空の下ということです。
日差しが強い日陰(グラデーションが綺麗)
晴れた日の強い光の時などは、日陰でも充分な光量を得ることができます。
まわりのモノというモノに反射した光がふんわりとしたシチュエーションを演出してくれます。
優れた写真作品から学べること
- 光の具合
- 構図のとり方
- 被写体との距離感
- シチュエーション
- バリエーション
- カメラのことなど
人気の写真や有名な写真家の作品は学ぶことが多いです。
ポートレートに特化して写真を見直すと新しい発見があったりします。
1、光の具合
被写体となっている人物のハイライト(いちばん明るいところ)とシャドー(いちばん暗いところ)をみたりします。
トーンがどのくらい豊かな諧調になっているのか。
光が被写体に対してどこからあたっているのか。
スタジオ写真であれば光源を想像して、屋外で再現できるか考えてみます。
参考にする写真がモノクロ写真だと色に惑わされにくく光の勉強になります。
2、構図のとり方
構図はいちばん真似しやすい技法です。
カメラ位置(アングル)や余白のとり方。
後からトリミング加工するという手段もあります。
真俯瞰、真正面、水平垂直、シンメトリーなどは分かりやすい例です。
3、被写体との距離感
撮影するモデルさんが決まっていれば意思疎通のチャンスがたくさんあります。
旅行先や日常の中でとなるとそうはいきません。
一期一会がほとんどなので、そのタイミングで撮りきることを想定します。
人物写真のばあい肖像権の問題などプライバシーに関わることなので、被写体となるモデルさんの同意は欲しいです。
そのため遠くからズームレンズで撮るのはおすすめしません。
トラブルを避ける意味でも、見知らぬ人を撮りたい場合は話しかけてから撮るようにした方が良いです。
4、シチュエーション
背景や撮影場所は気になる要素です。
海外の写真は日本の風景からはかけ離れているので、それっぽい感じで撮ろうとすると違和感が出てしまうので難しいところです。
ファッション雑誌などで国内っぽさを感じさせない写真をみつけたら、それはカメラマンやクリエイターの力量によるのもと言ってよいです。
5、バリエーション
同じ写真や構図に拘ろうとすると、逆にうまくいかないことがあります。
いろんな写真をみてバリエーション(アイディア)を持っていると気持ちはラクになります。
場面に応じて自分なりの写真にするためにも試行錯誤すると良いです。
6、カメラのことなど
カメラ設定やレンズ選びも大切な要素です。
あまりハマりすぎない程度に、本来の目的を見定めます。
いったん機材を決めたらその条件で撮れる最高の写真とは?という部分に意識を注ぐべきです。
これは失敗したと思うこと
失敗写真とは撮った本人次第ですが、旅先で失敗したと思った経験は今でも思い出します。
背景を気にしすぎた
→白い背景が撮りたいとか。せっかくの旅先の風景を残すことができるはず。
正面を向いたポートレートが撮りたかった
→相手によって距離感が変わるので、こだわりすぎると面白さに欠ける。
たくさん撮ることを意識しすぎた
→量が目的になりすぎて本質を見失ってしまう。
髪型やファッションへの気づかいが欠けていた
→せっかく良い感じに撮れていても襟がめくれていたとか。細部にまで意識できた方が良い。
ポートレート写真とは/まとめ
ポートレートとは肖像写真です。
人物が被写体となった写真のことです。
家族写真や集合写真も含まれます。
写真作品としての要素をもつか、記録としての写真と位置づけるかによって捉え方は変わってきます。
まとめ
写真は撮らないと上手くはならないのは確かです。
旅先や日常スナップでは数枚のチャンスしかないかもしれません。
たくさん撮れてもセレクトするときに迷うので、理想的な写真の仕上がりをイメージして取り組むと良いかと思います。
僕は洋楽アーティストのCDジャケットになっている写真をみてポートレートに興味を持ちました。
ファション写真家のアルバート・ワトソンというフォトグラファーでシャーデーというミュージシャンの白黒写真です。
このような写真はライティングなど細かな撮影条件など技術が要求されるスタジオ写真です。
ファッションやグラビア、広告や選挙ポスターなどのほとんどはカメラマンの技術とあらかじめ明確な意図があって成立している写真です。
プロの撮影が自然光をメインとした屋外であればマネしやすいようにみえますが、
レフ版や日中シンクロ(ストロボ)など、素人には気付かない技術を駆使している場合も多いです。
そのため旅先でこのような写真を撮るのは極めて難易度が高いと言えます。
それでもこうした写真作品が創作意欲を掻き立てるのも事実です。